ロードバイク・コラム『ダウンヒルのコーナーリングを上手に走るコツ』
『ダウンヒルのコーナーリングを上手に走るコツ』
ロードバイク走行で上り坂は苦にならないけど、下り坂のコーナーリングが苦手という方は意外といらっしゃるのではないでしょうか?
ひたすら一直線の下り坂なら、ブレーキを時々かけながら走行すれば、取り立てて難しいとは感じなくとも、カーブのきついコーナーが突然見えてくると、心の中でどうしよう…曲がれるかな?という不安な気持ちがもたげるでしょう。
下り坂ですから、スピードが出ることはブレーキングで解消されますが、ある程度のスピードが出ていますと、コーナーリング時の恐怖感は高まっていきます。
そこで、今回は下り坂、いわゆるダウンヒルのコーナーリングの上手に走るコツをご紹介していきます。
■ダウンヒル走行の基本
下り坂を走行するとペダルを漕がなくとも走り続ける快適さは、何とも言えない気持ちよさがありますが、いつかは道もカーブしている場所があります。
そこで、コーナーを曲がりきれずに外側に膨らんでしまうとか、最悪タイヤが滑って落車してしまうとかなり危ないです。
ダウンヒル走行でのコーナーリングは、平坦な道などのコーナーを曲がるのとは違い、バイクコントロールがとても重要になってきます。
そこで、ダウンヒル走行のバイクコントロールの基本ポイントをご紹介していきます。
◇視線を遠目において走る
ロードバイクで下り走行をしていると、目線を配る方向にロードバイクが進んでいくという傾向があります。
走行中は、できるだけ直線的なラインを選ぶことが重要ですから、ヘアピンカーブのような曲がりくねった坂道は、坂の先へと目を向けて対向車の存在を確認し、対向車が来ていなければ、少し広めに走行ラインを取っていきましょう。
また、コーナーリング中にコーナーが怖くなり、コーナーの内側を見ないで外側を見ながら走ってしまうと、視線の方向へとバイクが進んでしまいますので気をつけましょう。
この場合の解決方法は、コーナー進入時に、顔を地面と水平にして視線をコーナーの出口方面に置くことで解決できます。
◇コーナーに侵入前に、走行スピードを落としておく
ダウンヒルのコーナーに侵入するときには、コーナー前でブレーキを使ってしっかり減速しておきましょう。
コーナー前からブレーキを前輪8割、後輪2割の感覚でレバーをじんわりと握ってかけるようにしましょう。
ただし、ダウンヒル走行中にブレーキをかけ続け過ぎますと、バイクに過剰な力が働きフロントホイールのコントロールがうまくいかないばかりか、ホイールリムが過熱してしまいますのでタイヤがバーストすることがあります。
それを回避するためにも、ダウンヒルを走行中にタイミングを見つつブレーキを軽く時々かけ減速をしていきます。
そうすれば、コ-ナー侵入にちょうど良いスピードが維持できますので、これを励行するようにしてください。
◇ダウンヒルのコーナーリングは、外脚支店、後ろに荷重が原則
コーナーに侵入するとき、両脚の位置はコーナー外側の脚をペダルの下支点に置き、内側の脚はペダルの上に上げておきましょう。
外側の脚を支点にすることで、自転車を地面に押し付けた感じにできますのでタイヤのグリップ力が高まります。
そして、コーナーの終わりが見えるまでペダリングを停止し、コーナーの終盤に差しかかったところで車体が正立しはじめたらペダリングを再開しましょう。
ダウンヒル走行中は、どうしても荷重が前方にかかっていきますので、サドルの後方にお尻を移動し、後ろ荷重にしてフォームのバランスを取りましょう。
後輪方向に体重移動することで、コーナーリング時に車体が安定するようになり、安全走行につながります。
■ダウンヒル走行上達に近道ななく、経験を積みスキルを磨くこと
ロードレースに参加すると、ヒルクライム、ダウンヒル走行は常について回ります。
そのため、日頃から傾斜の緩い下り坂でダウンヒル走行のスキルアップに取り組むことをおすすめします。
コーナーリングの仕方、ブレーキングのタイミング、ドロップポジションでの走行フォームの確立、そしてコーナーでの視線の向け方に磨きをかけていきましょう。
傾斜のきつくない下り坂からはじめて、徐々に長い下り坂や傾斜のきつい下り坂へとトライして、テクニックをマスターしていくことで自信が持て自然と体が様々な坂道への対応ができるようになります。
■まとめ
ダウンヒル走行のコーナーリングが苦手な人は、ブレーキを早めにかけスピードを調節してコーナー前で速度を出さないことが重要です。
速度がさほど出ていなければ、コーナーで極端に走行ラインも膨らまず、後輪が滑ってしまい落車するなどということは避けられます。
走行中は、視線をコーナーの先を見て遠くへ置き、外脚と後ろ側に荷重を持っていくフォームを忘れずに行えば、ダウンヒル走行のコーナーリングを怖がる必要はなくなります。