ロードバイク・コラム『ディスクブレーキ搭載のロードバイクの特徴』
『ディスクブレーキ搭載のロードバイクの特徴』
ロードバイクのブレーキは、バイク全体の軽量性を重視して主にリムブレーキが取り付けられています。
しかし、リムブレーキは雨になると制動力低下という課題があり、最近はブレーキに安定した制動力を求めるライダーの声も高まり、ロードレーサーのみならず一般のライダーからもディスクブレーキ支持の声が増えてきています。
ディスクブレーキロードバイクとは、その名の通りディスクブレーキシステムが取り付けられたロードバイクを指しますが、このバイクの特徴について今回は、詳しくご紹介していきます。
■そもそもディスクブレーキとは?
ディスクブレーキは、ロードバイクのタイヤ中央のハブに固定された円盤型の金属(ディスクローター)をブレーキキャリパーで挟んで制動させるブレーキシステムです。
リムブレーキも同じようにタイヤ(リム部分)を挟んで制動するわけですが、挟む部分(金属板)の違いがあります。
ディスクブレーキとリムブレーキとの違いは、ディスクブレーキがタイヤの中央を制御するのに対し、リムブレーキはタイヤの外側のリムで制御するところです。回転する中央部分になるか、リム回り(タイヤの外側部分)かの違いがあります。
また、ディスクブレーキにはブレーキレバーからブレーキキャリパーまで力を伝える方法が油圧式と機械式の2種類のタイプに分かれています。
■ディスクブレーキの特徴(メリット・デメリット)
ディスクブレーキは、ブレーキキャリパーで挟む部分がタイヤの中心部にあるディスクで、リムブレーキはホイールの外側部分のリムとなりますので、雨天時の水たまりや泥の影響などを受けにくい分、制動力が安定しています。
そして、ディスクブレーキは制動する際にリム部分を使用しませんので、ホイール選びのときホイールの素材にこだわる必要性がありません。
また、特に油圧式のディスクブレーキの場合、ブレーキレバーを軽く握っても、確かなブレーキングを得られます。
手の力が弱い人や女性ライダーなどには扱いやすくなっていますので、長い下り坂の路を走行中などでも疲れも感じず制動することが可能です。
一方、デメリットして考えられるのは、リムブレーキモデルよりブレーキシステムそのものの重量が重くなってしまうことです。
また、ディスクブレーキはハイスピードの状態から急に停止すると、ローターやリムが摩擦によって加熱され非常に高温になる特徴があります。
例えば、ハイスピードから急停止するとブレーキのディスクローターの温度は、300度近くまで上昇するとも言われています。
出来空くブレーキのローター部分は、特に支障がなければ通常走行では、ほとんどに手に触れる部分ではありません。
カバーは特にセットしていませんので、ディスクは空気で冷やされてはいますが、ディスクブレーキはかけ過ぎますと、ディスクローターの温度は300度を超えることもありますので、基本的にはディスクローターには触らないようにしてください。
■ディスクブレーキ利用で注意しておきたいこと
先ほども記載しましたが、ディスクローターに触れないことが注意点のひとつ目です。
もちろん、高温になっているので危険ということもありますが、ディスクブレーキのばあい、ディスクローターが少しでも傾いたり曲がったりするとブレーキングに支障が出るからです。
最悪、走行そのものもできなくなるということにもなりますので、走行中の点灯や休憩中の際にバイクが転倒しないようにご注意ください。
次に注意する点は、油圧式の場合にブレーキホースにエアが入らないようにすることです。
エアが入ってしまうと、ブレーキの利きが悪くなる恐れがありますので、注意が必要ですし、エア抜きはとても手間がかかる作業となります。
安全走行のために、ブレーキオイルの管理をしっかりと行うことを怠らないようにしたいところです。
最後に、油圧式と機械式のディスクブレーキのメンテナンスのポイントも注意しておきましょう。
油圧式のディスクブレーキは、ディスクローターとブレーキパッドのクリアランスを一定に保つ機構が備わっていますので、メンテナンスは比較的楽なのですが半年に一度はブレーキオイルの交換を忘れずに行ってください。
一方、機械式の場合はクリアランスを一定に保つ機構がありませんので、ブレーキパッドの減りに合わせてディスクローターとブレーキパッドのクリアランスの調整を必ず行っていく必要があります。
そして、ワイヤー類の劣化やブレーキパッドの減りなどをチェックして、必要であれば交換するようにすることを怠らないようにしましょう。
■まとめ
ディスクブレーキには2種類があり、その種類によって仕組み・構造上の点で少しメンテナンス作業が複雑になるとか、チェックポイントが多少違うなどあります。
また、ディスクブレーキのコンポーネントも、軽く引いただけで制動力が発揮されるものや、ブレーキを積極的にかけてコントロールしていくと良いタイプなど、メーカー各社でそれぞれ特徴あるディスクブレーキのコンポーネントを発売しています。
そのため、ディスクブレーキを選ぶときは、自身のライディングの好みや乗り方によって選んでいくことがとても重要となります。