ロードバイク・コラム『ロードバイクのギアチェンジの不具合調整について』
ロードバイク・コラム『ロードバイクのギアチェンジの不具合調整について』
ロードバイクを新車で購入して数ケ月近く経つと、走行中にギアチェンジの不具合を感じることありませんか?
シフトチェンジをしようとしても、買った当初のように正確にシフトチェンジしてくれなくなっているわけです。
たとえば、乗っているとチェーンが外れてしまうとか、ギアチェンジしてもすぐに切り替わらずに、少し遅れてカラカラと異音が発生するとかなど、きちんとギアチェンジができないようになります。
ギアの不具合には、様々な要因が考えられますが、購入して間もない場合はワイヤーの初期伸びであることが多い傾向にあります。
今回は、ワイヤーの初期伸びで起きるギアチェンジの不具合についてご紹介していきます。
■ワイヤーの初期伸びとは?
ロードバイクをスポーツバイク店で購入すると、基本的に新車納車されますので、
未使用の新品のブレーキやシフトレバーのワイヤーを張っていますので、購入時はワイヤーが伸び切らない状態となっています。
ロードバイクのブレーキやディレイラーは、このワイヤーを引っ張ることで作動をしていますので、しばらく乗っているうちにワイヤーは伸びてきます。
ワイヤーが伸びると言え、微妙な長さではありますがシフトチェンジの際には、不具合が出てくるようになってしまいます。
これが、ワイヤーの初期伸びという状態で、新車によく見られることから「初期伸び」と呼ばれています。
微妙な長さの伸びでも、滑らかにシフトチェンジができなくなったり、走行中に突然ギアが切り替わったりなどが起きるようになってしまいますので、日々のメンテナンスで伸び具合をチェックされることをおすすめします。
■ワイヤーの伸びチェックの仕方
ワイヤーの伸びは、走行前や日々のメンテナンスで状況を確認する方法は、ロードバイクスタンドにバイクを設置して、手でペダルを回しながらチェーンや変速の音を聞きながら、チェーンがスプロケットの上を滑らかに動いているかをチェックしましょう。
チェックの具体的ポイントは、シフトチェンジをしてもスムーズに変速しないとか、チェーンがギアの上に乗ったままスプロケットに嵌るかどうか、変速後すぐに元のギアの状態に戻ってしまわないかなどを見ていきましょう。
また、ペダルを速く回してみて通常の走行音とは違うとか、何かと接触しているような音が出ていないかも併せて確認してください。
■ギアチェンジの不具合は、ディレイラーの調整で行おう
自転車のギアチェンジやギア周りの不具合の原因のひとつが、ワイヤーの伸びであることがわかったところで、その不具合を解決する方法をご紹介します。
ギアチェンジがきちんとできないと言う場合のほとんどは、変速を支えるパーツのディレイラーの不具合と考えられます。
不具合を解消するには、ディレイラー(変速機)調整の基本であるワイヤーの張り具合や降り幅を正しい位置に設定することが必要です。
トップ側の振り幅が大きすぎるとチェーンに負担をかけてしまうことで、異音の発生とギアチェンジに不具合が出ますので、トップにした状態のギアとガイドプーリーのラインを揃えてワイヤーの調整をしていきます。
ガイドプーリーを左右に動かすためには、トップアジャストボルトをドライバーで反時計回りに回すと右側、時計回りにすると左側に移動していきます。
右、左への調整が済んだところで、チェーンステー側の下に張ってあるシフトワイヤーの張り具合を確認します。
確認して緩みすぎている場合は、調整ボルトを回して調整をしてください。
反時計に回すと張りが強くなり、時計回りにすると張りは緩くなっていきます。
この時注意したいのは、適度なたるみを残して張り具合の調整をすることです。
■ワイヤーの伸びだけがすべての原因ではない
ワイヤーの伸び調整で、ギアチェンジの不具合を修正する方法をご紹介してきましたが、他にもギアチェンジの不具合となる原因として挙げられるのが、シフトのワイヤーケーブル自体が劣化している場合です。
ギアチェンジには、必要不可欠なシフトケーブルのワイヤーがほつれているとか切れ目が入っているなどの場合にはワイヤー交換が必要です。
ワイヤーがほつれやすい箇所は、ワイヤーが大きく曲がるところなどですが、メンテナンス作業としてワイヤーの状態チェックと必要であれば、すぐ交換をされることをおすすめします。
■まとめ
初期伸びのトラブルは、ロードバイクで走行する人にとって、必ず経験することです。
今回は、ワイヤーが伸びてしまいギアチェンジがうまくできないときの対処法をご紹介してきましたが、ロードバイクによってはある特定のギアにした時だけ音鳴りがし始めるとか、ワイヤー自体が原因だけではない場合もあります。
このような状態の場合は、ディレイラーの高度な調整が必要となりますので、バイクを購入した店舗へ相談されることをおすすめします。