ロードバイク・コラム『ロードバイクと旅をする「輪行(りんこう)」のルールについて』

『ロードバイクと旅をする「輪行(りんこう)」のルールについて』
ロードバイクに乗り出してバイク走行にも慣れてくると、普段とは違う場所でライドを楽しみたいという気持ちに駆られることと思います。
そういう時は、日本各地には風光明媚なサイクリングスポットがたくさんありますので、そこまで足を運んで走ってみたいものです。
しかし、場所によってはロードバイクでは簡単に行けない場所も多く、なかなか思うようにライドのチャンスを得られないこともあります。
そこで、そういう方のために電車やバスなどの交通機関を利用し、目的地まで移動してから走る「輪行」の旅をおすすめしたいと思います。
つまり、輪行は旅の一部の行程をロードバイクで走らずに、鉄道やバスなどの交通機関を利用して移動し、旅の移動時間を短縮することができる手法です。
便利な方法ですが、利用する交通機関にはそれぞれ定められたルールがありますので、今回はサイクリングの楽しみ方の幅が広がる「輪行」について、そのルールや注意点をご紹介していきます。
■輪行のメリットとは
輪行によって、行きか帰りを電車で移動すると片道分の時間と体力が手に入りますので、より遠くの場所でのライドが楽しめます。
また、家から遠距離の観光地まで交通機関を利用して自転車を運び、目的地周辺を気軽にポタリングすることも容易です。
つまり、旅の始め方も終わり方も自由自在であるのが「輪行」旅なのです。
ロードバイクで旅をすると言うと、とにかく往復の道のりを完走するか、遠距離であれば宿泊するか、とにかく旅の最中は常にペダルを漕いでいなければなりません。
輪行であれば、旅先の街をゆっくりと見学することも可能ですし、車で移動する旅とは違い、行楽地の渋滞に巻き込まれることもありません。
また、輪行で旅をすると天候悪化や怪我などの急なトラブルが起きても、対応がしやすくなります。
遠方へのサイクリングでは、どうしても時間に追われて走るだけになってしまい、旅を楽しむという時間が持てないだけでなく、余裕がないことから体全体が疲労してしまうことになってしまいます。
つまり、輪行という選択肢でサイクリングの旅をすれば、もしもの時にも万全な体制でいられるということになりますので、輪行でお気に入りのロードバイクの旅を楽しんでみましょう。
■輪行袋の種類
ロードバイクをしまい持ち運ぶための袋を輪行袋と呼び、各メーカーから様々なものを販売されています。
また、ロードバイクを縦長に収納する「縦置きタイプ」と、横長に収納する「横置きタイプ」の2つのタイプがあります。
袋の色はバイクについているオイルなどで汚れてしまうことを考えて、できるだけ汚れの目立たない濃い色の袋がおすすめです。
◇縦置きタイプ
縦置きは、スペースをあまり取らずにコンパクトな形となりますので、鉄道を利用しての輪行にはおすすめかと思います。
ただし、破損しやすいリアディレイラーが袋の底部分に配置する形となりますので、ディレイラーを宙に浮かせるための「エンド金具」というパーツ(別売り)が必要となります。
◇横置きタイプ
横置きはフレームの端から端までの長さ分だけ横長の形になり、移動中のスペースがそれなりに必要なタイプです。
しかし、ディレイラーが上に配置されるため、エンド金具は必要ありません。
エンド金具は結構重いので、それを使わずに運べることを考えればおすすめしたいタイプです。
■電車で輪行をするときの注意点
電車で輪行するときは、ロードバイクは解体して輪行袋にきちんと収まっていても大きな荷物であることに変わりはありませんので、他の乗客の方に迷惑のかからないようにしなくてはなりません。
たとえば、混雑する時間帯を避けて電車に乗るとか、自転車を置く位置も電車の先頭や最後尾のスペースに多少余裕がある場所に置くようにしましょう。
また、輪行前に必ず鉄道会社の手荷物に関する規則などをチェックしておきましょう。
◇列車内での基本的ルールとマナー
・他のお客様に対して迷惑がかからないように、輪行袋は邪魔にならない場所に安定した状態で置くこと。
・複数で移動する場合は、車両かもしくはドア周りに分散して乗車すること。
・ベルトで手すりに輪行袋を括りつけて置いても、輪行袋が動いたり倒れたりしないように手や体で押さえておくこと。
・ドア近くの狭いスペースに輪行袋を置く場合は、他のお客様が自転車に当たらないように注意を払うこと。
・運転席、車掌室の壁スペースを利用する場合は、乗務員出入口がある場合は、それを塞がないようにすること。
■まとめ
ロードバイクを目的地に運んで旅をする輪行は、有意義なライドを楽しむ一つの手段です。
ロードバイクの旅を楽しむなら、とても有効な手段ですから未経験の方にもおすすめしたい方法です。
輪行するときは、利用する交通機関のルールに従って、周囲に迷惑をかけないように輪行袋を運ぶようにご注意ください。