ロードバイク・コラム『ロードバイクの補給食と栄養知識』

『ロードバイクの補給食と栄養知識』
ロードバイクで走行中のカロリー消費量は、以前のコラムでダイエットの記事でも書きましたようにかなりの消費量となる運動量です。
ちなみに時速20キロで1時間走行すると、約500キロカロリーを消費します。
4時間走ると単純計算で2000キロカロリーを消費する計算になりますが、20代の成人男性で2300キロカロリー、女性で2000キロカロリー、30代男性で2200キロカロリー、女性で1750キロカロリーが一日の摂取カロリーとして提唱されています。
この数値から考えますと、ロードバイクの運動エネルギーの消費量が多いことがご理解いただけると思います。
これが、スピードを競うロードレースになりますと、1時間走行でおよそ1000キロカロリーを消費しますので、ロードバイク走行中のエネルギー補給は必須となることがわかります。
今回は、ロードバイク走行において、必要なエネルギーを摂取するための補給食についてご紹介をしていきます。
■補給食は、なぜ必要なの?
人間の体は、糖質が分解されるとエネルギーが生まれ、そのエネルギーが脳や体を動かすパワーとなります。
体に保管されているエネルギー源は脂肪以外にも、多糖質であるグリコーゲンという物質が肝臓におよそ100グラム、筋肉におよそ300グラム蓄えられています。
ロードバイク走行の特にレース競技のように、運動強度が高い「無酸素性代謝」が続くと分解しきれない乳酸が蓄積されていき筋肉が疲労していきます。
運動中に筋グリコーゲンを補充してあげないと、疲労と体力の低下でレース競技を途中で断念せざるを得ないような状態を生む可能性が出てきます
つまり、ロードバイクのロングライドや、ロードレースにおいてグリコーゲンを補填する意味で補給食が必要となるというわけです。
知らず知らずのうちに膨大なカロリーを消費してしまい、ハンガーノック状態にならないように気をつけましょう。
■ハンガーノックを防ぐために
ハンガーノックとは、長時間の運動で極度の低血糖状態になることです。
いわゆるエネルギー切れなのですが、この状態になると体が思うように動かなくなり、脳の動きも遅くなり判断力が著しく低下します。
このような状態でロードバイクを乗り続けますと、転倒などを引き起こし怪我をすることにつながります。
そのため、お腹がすいてきたと感じる前に、こまめにエネルギーの摂取が必須となります。
エネルギーの補給には、運動中のエネルギーの源である「糖」、筋肉の緊張をほぐす「ミネラル」、脳と筋肉を刺激して集中力を高める「カフェイン」の成分が必要となります。
■補給食に向いている食材とは?
運動初期段階のエネルギー源は、筋グリコーゲンが利用されて、その後徐々に脂肪の燃焼が開始されエネルギー源として利用されていきます。
ただし、脂肪を燃やすためには糖質が必要ですので、体内のグリコーゲンが減少しますと補給食で糖質を摂取するようにして、体内の糖質不足を防がなければなりません。
補給食で摂取すべき糖質は、持続的なエネルギーになる「ごはん・パスタ・パン・うどん・羊羹」などの多糖類を中心に摂取しましょう。
ロードバイク走行中でも摂取しやすい、コンパクトで高カロリーの固形タイプが腹もちもいいので、おにぎり、パン、羊羹などはおすすめです。
ただし、固形タイプの補給食は消化に多少時間がかかるため、レースであればスタート30分後くらいのレース序盤に摂取することが重要です。
レース半ば過ぎたころには、補給してすぐに体内に吸収されるゼリー飲料などの法外に負担もかけなくて済みますので、液体系の補給食を摂取するようにしてください。
また、補給はロードバイクの走行後にも必要です。
その理由は、走行中の筋肉疲労の回復を促すために必要だからです。
摂取する食品の種類は、疲労した筋肉の修復に役立つタンパク質、そしてその修復を促す働きをする炭水化物です。
その両方を兼ね備えているのが、肉巻きおにぎりなどが手軽に食べられますので適しているおすすめの食品です。
摂取量の目安ですが、100キロのロングライドで300キロカロリーから400キロカロリーは補給しなくてはなりませんので、おにぎりなら3個、固形のエナジーバーなら2本くらいと考えると良いと思います。
■まとめ
一貫して補給食の話をしてきましたが、運動するということは汗も大量にかきますので、水分と塩分やミネラルが体内から失われていきます。
体内の水分が不足していると、汗が出にくくなり体が体温を下げることができず、脱水症状になってしまい、熱中症になる可能性も出てきます。
そのため、ロードバイク走行中は食の補給だけではなく水分と塩分・ミネラルの補給も忘れずに行ってください。
たとえば、ロードバイクツーリングの時などは、レースと違い自分のペースで走り方を決められますので、旅先で軽食をとってそれを補給食としても良いと思います。
目的地までの道のりに、軽食場所を探してみるのもツーリングの楽しみになるかもしれませんのでお試しください。
とにかく、ロードバイクでロングライドやレースに参加するときは、こまめに栄養補給をして、体調を確かめながら無理しないことをおすすめします。