ロードバイク・コラム『ロードバイクでヒルクライムを楽しむ方法』
『ロードバイクでヒルクライムを楽しむ方法』
ロードバイクの楽しみ方に、ヒルクライム走行があります。
ヒルクライムとは、ロードバイクで山道や峠道などのコースを走る自転車競技のこと、またはそのような乗り方のことをいいます。
ヒルクライムを楽しむために、今回はヒルクライムするときに注意点や走行のコツなどをご紹介していきます。
■ヒルクライムの走りのコツ
ヒルクライムの楽しさは、山登りと同じようにその目的である登り上がったときの達成感です。
ロードバイクで平坦な道を走るときとは違う、ヒルクライムの独特の走行のコツをマスターすると、より一層ヒルクライムの楽しさを満喫できます。
ヒルクライムの走行テクニックは、まずペダリングと走行フォームを安定させていくことから始まります。
その走行フォームの基本は、踏み込んだ力を推進力にするために前を向き、体に無理な力が入らないように走るよう心がけましょう。
ヒルクライムですから、当然坂道を走るうえでかなり抵抗を感じながら走らなければなりません。
つまり、平地を走るより体への負担はかなり大きいため、ヒルクライム走行するときは最初から飛ばさないように心がけることが重要です。
◇走行フォーム「シッティング」と「ダンシング」を使い分けて走行する
ヒルクライム走行は、サドルに尻をつけた姿勢で走る(シッティング)とペダルにより強いパワーを伝えるためにサドルから尻を離した姿勢で走る(ダンシング)の2つのフォームが基本となります。
ダンシングは勢いが出ますが、その反面パワーロスが大きいので、多用すると体が消耗します。
そのため、ヒルクライムではシッティング走行が90%、ダンシング走行10%くらいの配分が適正といわれています。
ダンシングを使用するタイミングは、坂を上るときだけでなく平坦な道の走行中でもスピードが落ちてきたかなと感じる時も効果的です。
スピードが一度落ちてしまうと、元のスピードに戻すのは時間と労力がかかりますので、スピードが完全に落ちてしまう前に、ダンシングで勢いをつけ元のスピードに戻して走行しましょう。
◇理想的なヒルクライムのケイデンスをキープする
ケイデンスとは、1分間にクランクが何回転するのかという数値のことで、簡単に言うと1分間あたりに漕ぐペダルの回転数のことです。
重いギアで走行中、ケイデンスが低い状態ですと筋肉に負担が掛かっている状態で、軽いギアでケイデンスが高いときは、高速でペダルを漕いでいるため心臓に負担がかかっている状態となっていますので、体に悪影響が出ることもあります。そこで、サイクルコンピューを装着し、速度や距離、ケイデンスや心拍数などを測りながら走行しましょう。
理想的なケイデンスは、平地ならばケイデンス数90が理想的な数値であり、ヒルクライム時はケイデンス数値が70で、心拍数は130〜150bpmが理想と言われており、この数値をキープしていきながら走行するのが理想的な走りとなります。
■ロードバイクで、ヒルクライムするときの装備
◇栄養補給
ヒルクライムは、かなり大量のカロリーを消耗しますので、適切な栄養補給を心がけて走ることを心がけてください。
ヒルクライムが1時間程度のコースでも、適切な栄養補給を行いながらヒルクライムにチャレンジしてください。
栄養補給品の固形のエナジーバーは、ヒルクライム中に摂取するのではなく、ヒルクライムを始める20分ほど前を目安に摂取するようにし、またヒルクライム中に摂取したい場合は、エナジージェルが消化も早いので適しています。
ロードバイクでは、カロリー消費を考えてヒルクライムするときは、栄養補給食品を必ず携行するようにしてください。
◇水分補給
登り坂は平坦な道よりも、特に水分の消耗も激しくなりますので、走行中の水分補給はこまめに摂取する必要がありますので、走行するときは必ずボトルケースを携行しましょう。
◇ヒルクライムでの服装
山の天気は変わりやすく、山頂は真夏でも気温が低いこともありますので、寒さ対策のためにウインドブレーカーを持参しましょう。
また、急な雨振りや下り走行で風を受けますと、体感温度が下がり体も冷えますので、レインウェアなども常備しておくことをおすすめします。
■まとめ
ヒルクライムでは平地とは違い、重力に逆らって走ることになりますので、ペダルを漕ぎ続けなければ倒れてしまいます。
たとえば、チームでヒルクライムをするとき、他のメンバーに置いていかれたくないという気持ちから、自分より速い人に何とかついていこうと無理をしてはいけません。
自分のペースと違う走行で頑張ってしまうと後半で失速してしまいます。
ヒルクライムでは、自分のスピードとペースをキープし、周囲のペースに惑わされないように走り、自分の限界を超えないようにしましょう。
このことを心がけることで、ヒルクライムに苦手意識を持たずに楽しめる走行が可能となりますので、自分の体力を常に把握し走行することをおすすめします。