ロードバイク・コラム『夏でも快適にロードバイクを乗るために考えること』

ロードバイク・コラム⑮
真夏の暑い時期、ロードバイクで走るのは爽快感よりも、うっかりすると体に危険を及ぼしかねません。
きちんと、それなりの対策を講じて夏の暑い季節でも、快適にロードバイク楽しめるようにしましょう。
■夏のロードバイクライドについて
元来、ロードバイクは天候の影響を受けやすいスポーツですから、雨の日、風の強い日の走り方には注意が必要です。
ましてや、暑い夏ともなれば太陽から降り注ぐ直射日光を全身で受けるだけでなく、道路からの照り返しなどもあり、ロードバイクに乗るのに条件の良い春や秋と較べるとかなりつらい季節ではあります。
しかし、そうは言ってもロードバイク好きの方なら、乗らないわけがありません。要は、夏の暑さに上手に対処すれば良いことですから、夏場の快適ロードバイクライドに関して、様々な対処方法を学び準備されることをおすすめします。
◇夏のライドは水分補給がとても大事!
やはり、夏のライドには熱中症に対しての準備を疎かにすることはできません。
真夏は、普通に生活していても、うっかりすると熱中症にかかってしまうこともありますので、ライド中の水分補給は欠かせません。
運動中の水分補給には、水ではなく体内により浸透しやすい電解質を含んだスポーツドリンクがおすすめです。
その理由は、汗をかくことで失われた体内の塩分やミネラルをスポーツドリンクなら補うことできるからです。
体内への吸収効率を考えると、スポーツ飲料は10度前後に冷えた状態のものの方が、体内の冷却を促せますので、喉が渇く前の大体20~30分おきに飲むようにしてください。
飲む量も、大量に摂取すると胃に溜まり体内への吸収もされにくいため、多くても1回200㏄を目安にしましょう。
■快適に走るには、筋肉と血液を冷やそう!
ロードバイクのライド中は、前傾姿勢維持のために肩甲骨から腕の筋肉を酷使しています。
当然、腕や肩、頭部、ペダルを漕ぐことから大腿部や、血管が多い太ももの付け根や脇周辺も、かなり熱くなっています。
そこで水分補給で体を冷却するだけでなく、マラソン選手のように体に冷えた水をかけて冷却してライドするのは、熱中症対策にとても有効です。
それはライド中の体は、風に当たって走っていることから、冷水で体が直接的に冷やされ、そのうえで水の気化熱が体を冷やしてくれるからです。
体に冷水をかけるのは、熱中症対策に効果的と書きましたが、体のどこに冷水をかけるかが重要になってきます。
たとえば、お腹に冷水をかけてしまうとお腹を壊してしまう可能性もあることから、ライド中に一番熱を持つ首筋や背中、太ももなどライディングでフルに使っている筋肉にかけることをおすすめします。
また、休憩を取っているときなどは、太ももの付け根、脇、首などの血管が多く集まっている個所に、血液の流れを安定させるためにストッキングに角氷を入れて、各部分を冷やすことをおすすめします。
■夏のライドを快適するアイテムとは
水を利用して体を冷やすことも重要ですが、夏の陽射しを直接体に当てないことも熱中症対策には効果的となります。
そこで、まず利用したいのがロードバイク用のキャップです。
キャップは頭部の日焼け防止に役立つだけではなく、頭部から滴る汗が目に入らないようにするためにも必須なアイテムです。
また、キャップを被っていると頭部に水をかけた時など、水分を頭部で保持しておくことで、気化熱を持続させることも可能となり、熱中症対策に効果的なアイテムです。
その他にも、部分的に体を冷やせるアイテムとしてコールドスプレーで筋肉を冷やすのも効果的です。
■暑さ対策には、ライド中のウエアにも気を使おう
白や黄色、水色など明るく薄い色のウエアは、太陽光を反射してくれますので、ウエアの表面温度は黒っぽいウエアよりも低くなりますので、熱さ対策には効果的です。
同じく、アームカバーなどの使用も、日焼けを防ぐことができ日焼けによる体力消耗を低減してくれます。
またアームカバーを使用するときは、アームカバーに冷水をかけると気化熱で体が冷やされ快適にライドできることでしょう。
そして、日焼けによる体力消耗対策として、汗で濡れても大丈夫なウォータープルーフタイプの日焼け止めを、首筋や顔に塗り込んでおくことをおすすめします。
最後に、ペダルを漕ぐうえで見逃せないのは、サイクルソックスによる足元の快適性です。
夏場に穿くサイクルソックスは、速乾性・通気性などの機能が高いタイプを選んで、足の甲全体に熱をためないようにすることをおすすめします。
■まとめ
夏場にロードバイクでライドするときは、まずは自分の体の状態を考え無理な走り方をしないことが重要です。
走行中に、めまいや頭痛を感じたり、気分が悪くなったりしたら、その時はすでに熱中症にかかっている確率は高いでしょう。
手遅れにならないように、休憩や水分補給を意識的に取り入れてライドを楽しむようにしてください。