ロードバイク・コラム『コンポーネントが違うと何が変化するのか?』
コンポーネントが違うと何が変化するのか?
ロードバイクのコンポーネントとは、ロードバイクの駆動に関連する基本部品全体を表します。
コンポーネントと呼ばれるのは、ディレイラー・ブレーキ類・クランク・ペダル・チェーンリング・スプロケット・ハブ・ボトムブラケットなどで、その特性によってロードバイクの走りも変化しますので、コンポーネント選びは、ロードバイク愛好家にとってとても重要です。
■コンポーネントの現状
コンポーネントには、素材や設計の違いによっていくつかのグレードを各メーカーが販売しています。
通常、性能が高く耐久性に優れたコンポーネントをグレードが高いと呼び、各メーカーによっていくつかのグレードを揃えています。
ほとんどの場合、ロードバイクのコンポーネントは、それぞれの部品を同一ブランドの同一グレードで揃える考え方が主流となっています。
つまり、同じブランドで揃えるグループセットのコンポーネントということです。
以前は、それぞれ違ったメーカーのパーツを独自の考え方や、その部品の性能を判断し組み込んでいましたが、イタリアのカンパニョーロと言うメーカーが、組み込む部品はメーカーを統一すると今まで以上に、高い動力パフォーマンスが発揮できると推奨し始め、今ではこの考え方が一般化しています。
■コンポーネントメーカー
かつては、コンポーネントを製造しているメーカーもいくつかありましたが、最近ではコンポーネント製造をやめたメーカーが多く、フルセットで製造しているのは日本のシマノ、イタリアのカンパニョーロ、そしてアメリカのスラムの3社となっています。
たとえば、シマノは、現在7種類のコンポーネントを販売しており、グレード順からデュラエース、アルテグラ、105、ティアグラ、ソラ、クラリスと言う名称のコンポーネントを揃えています。
カンパニョーロは、現在5種類のコンポーネントを販売しており、グレード順からスーパーレコード、レコード、コーラス、ポテンツァ、ケンタウルと言う名称のコンポーネントを揃えています。
シマノの製品と比較してみると多少価格は高いのですが、カンパニョーロ・ファンの中では使いやすさなどでは、シマノの製品を超えるという声もあります。
また、カンパニョーロは、イタリアの老舗自転車メーカーの優れたデザイン性が評価され、性能に重点を置いたシマノ製品より見た目の恰好良さがあるとも言われているようです。
スラムは、1987年創業と比較的新しいメーカーで、コンポーネント製品を発表したのが2005年ですが、その機能は評判を呼び、シマノやカンパニョーロに負けず劣らずの高い性能が認められています。
スラムでは、現在4種類のコンポーネントを販売しており、グレード順からレッド、フォース、ライバル、エイペックスと言う名称のコンポーネントを揃えています。
スラムのコンポーネント開発の特徴的なことは、従来グレードが上がると一般ユーザーは使いにくいという感想が出るところを、誰も使い易いコンポーネントの開発を目指しているところです。
■コンポーネントのグレードによって変わること
ご存知のようにコンポーネントのグレードの差からくる違いで、一番わかりやすいのがギアの段数です。
ギア数が、多ければ多いほど足にかかる負荷が調整できますので、疲れることなく効率的な走行が楽しめます。
つまり、ギアの数が増えれば走行中の環境によって選択肢も広がり、路面のコンディションに合わせて走ることが可能であると言うことです。
次に、グレードの高いコンポーネントでは、変速もスムーズになる特徴があります。
ロードバイクの変速には、STIレバーの操作でディレーラー(変速機)が動きますが、グレードの高いものほどレバー操作が軽い力で行え、変速機のレスポンスも良くなります。
ロードバイクの走行で、何よりも大切なことはブレーキコントロールの精度で、コンポーネントのグレードが上がるとブレーキ性能も上がります。
グレードの高いブレーキ性能とは、ブレーキレバーを軽く握ると減速できて、強く握ればきちんと止まることができます。
これだけではなく、チェーンのグレード、スプロケット(リアギアが付いている歯の部分)、クランクのギアの部分の精度も違ってきますし、それぞれの部品の耐久性にも大きな差がでてきます。
■まとめ
コンポーネントのグレードで変わることは、ロードバイクの操作性に関わってくると言うことです。
つまり操作性が良ければよいほど、体への負担が減りますので、たとえばロードバイクのレースなどで走るときは、長距離を走っても体力の温存が可能です。
体力温存できるということは、ペダルを漕ぐ力にも余裕があり、通常よりも速く走ることができる可能性もあるかもしれません。
このように、コンポーネントのグレードによって操作性や耐久性が変化していきますので、できるだけグレードの高く自分の目的に合ったコンポーネントを選択することをおすすめいたします。