ロードバイク・コラム『スピードアップも可能な疲れ知らずのペダリング術』
『スピードアップも可能な疲れ知らずのペダリング術』
ロードバイクを始めた頃は、100キロほどのライドをすると足がパンパンになって体が重く感じたことがあると思います。
経験豊富になると、200キロのロングライドをしても、疲れを見せず元気な人もいます。
これは、もちろん体力や筋力に差があるのが一番の原因ですが、ベテランと大きく違うのはペダリングの漕ぎ方なのです。
今回は、ベテランの漕ぎ方「疲れ知らずのペダリング」についてご紹介していきます。
■スタミナ切れしないペダリングのポイント
ロードバイク初心者のほとんどの方は、自分の力をバイクの推進力に効率よく変換する技術が身についていないと言えます。
そのため、ベテランと同じスピードで走っても体力消耗に差が出てしまうのです。
効率よく変換するためには、ペダリングの仕方を意識し漕ぐ力を上手に使っていくことで可能となります。
たとえば、現状の体力でより長く走るには、ライドの最初の段階で時速15キロくらいから徐々に体を慣らしていき、20分ほど走ってからスピードアップしていけばスタミナ切れも起きにくく長距離ライドが可能になります。
また、ロードバイクのライドフォームは、どうしてもペダリング時に肩や太ももなどに力が入ってしまい、結果筋肉に張りが出てきて呼吸が上がってしまいスタミナ切れを生みますので、ライド中は意識して全身の力を抜いて走りましょう。
そして、はじめは軽いギアから漕ぎだし、徐々にシフトアップしていくことで、余計な力を使わずに高速域まで、楽にペダルを漕ぐことも可能です。
ペダリングは、膝の上下運動がクランクを通じて回転運動に変換することなので、
ペダリングのために使っている体の部位は股関節から膝までとなります。
そして、股関節の幅で上下運動してペダリングすれば、膝下の筋肉の無駄な動きもなくなり、あなたのライディングも疲れ知らずのペダリングに近づけることができます。
■疲労感を伴わないペダリングとは無駄な力を抜くこと
脚の漕ぐ力で、フロントギアを回すことがロードバイクの動力源です。
しかも、ペダルの位置によってフロントギアへ伝わる力の変換効率が変化します。ロードバイク初心者の方や、ロングライドで疲れやすい方のペダルの踏み方は、ペダルを踏み込んだ状態を、時計の文字盤で表すと6時の位置に脚を伸ばした時にも力を加えています。
つまり、最下点にペダルが位置しているのにもかかわらず、下に力を加えていては無駄に力を発揮していて体力のロスが生じているということなのです。
ペダリングにおいて、最も動力に変換されるペダルの位置は、3時から4時方向にペダルを踏んでいる瞬間です。
すなわち、このタイミングで力を入れて踏むことができれば、とても効率的なペダリングをしていることにつながります。
それを実現するには、2時の位置にペダルが来た時に力を込める感じで漕ごうとする意識を持つことが重要です。
これを意識することで、3時の位置で大きな力をペダルに伝えることが可能となり、後は6時の位置に脚が伸びた時に、力をフッと抜く感じでペダリングすることを繰り返し漕ぐことで、疲れ知らずのペダリングをマスターできます。
■スムーズなペダリングができる人は、筋肉の使い方が上手
経験豊富なロードバイカーは、常に力を入れてペダルを踏んでおらず、必要な時だけ力を入れてペダルを踏んでいます。
ペダルを踏むときの力が入るのは大腿四頭筋なのですが、漕ぐことに慣れてくると意識せずに太ももの裏にあるハムストリングとお尻の筋肉もバランスよく使って漕いでいます。
そして、ペダルを回していく感覚で漕ぐことができると、疲れ知らずのペダリングが実現できます。
そのためのポイントは、ライディングしたときに重心を腰ではなく胸の前辺りに置いて、前脚が重力で落ちていく感覚をイメージして漕ぎ、後ろ脚を持ち上げる感覚でペダルを回していきます。
これは、脚の太ももの付け根から腹筋の奥を意識して力を入れる漕ぎ方なのですが、股関節を起点として力まずにペダル自体を大きく回すように漕ぐことで理想のペダリングとなるというわけです。
■まとめ
股関節から太ももを動かすイメージでペダリングすることで、ペダルの回転に合わせて使っていく筋肉の動きが、無理なくスムーズに躍動することが可能となり、無理や無駄のないペダリングが実現できます。
人より早く走りたいと思うと、とにかくペダルを強い力で踏み込むことばかりしてしまいがちになります。
そうしたペダリングを続けていますと、体の動きはぎこちなくなり、ちょっと走っただけでも息切れしたりロングライドすると脚がパンパンになったりしてしまいます。
ペダリングは、股関節を起点に下半身を動かし、ペダルを回すようにペダリングをすることおすすめします。
そうすることによって、力が無駄なくペダルに伝わっていきますので、疲れ知らずのペダリングが実現します。