ロードバイク・コラム『コーポネント製造各社の商品特性の違い』

『コーポネント製造各社の商品特性の違い』
ロードバイクのコンポーネントとは、ロードバイクの駆動に関連する基本部品であることを前回ご紹介いたしました。
今回は、コンポーネント・メーカー3社の標準的なコンポーネントの特性をご紹介していきます。
■3大メーカーにみるロードバイクのコンポーネント・グレード
コンポーネントには、ギア数の違いや素材の耐久性及び性能によって、グレードがいくつか分かれており、このグレードは上がるほど走りや操作性が向上します。主だったコンポーネントパーツは、ディレイラー・ブレーキ類・クランク・ペダル・チェーンリング・スプロケット・ハブ・ボトムブラケットなどで、このコンポーネント選びは、ロードバイクをこよなく愛する人々にとって、とても楽しく重要なこととなっています。
それでは現在、ロードバイクのコンポーネントの販売メーカー、日本の「シマノ」、イタリアの老舗メーカー「カンパニョーロ」とアメリカの「スラム」のコンポーネントをご紹介していきます。
シマノの特徴
シマノのコンポーネントは、他の2社のメーカーよりも価格が安いわりには、耐久性やシフトチェンジの滑らかさは特筆すべき点があります。
メカニズムの狂いも少ないことから、初心者の方にとっては、メンテナンスに手を煩わらせられることもないので安心して使用できます。
耐久性が高く性能も非常に良いので、世界のロードバイクを支え得る高い水準の製品として、多くの愛好家から信頼を寄せられています。
特に、ブラケットとレバーがやや大きめに造られていることから、変速性能面の評価はかなり高くなっています。
現在、シマノでは上位タイプからデュラエース、アルテグラ、105、ティアグラ、ソラ、クラリスの順に7種類のコンポーネントが販売されていますが、スタンダードモデルとしておすすめなのが、性能面とコストパフォーマンスの点から11速のギアを有する『105(イチマルゴ)(7万円前後)』です。
初めてロードバイクに乗る方はもちろん、これからロードバイクの競技に出場を考えているレベルの方にも満足できるコンポーネントです。
カンパニョーロの特徴
カンパニョーロは、コンポーネントのパーツが全体的に他の2社より軽いという点とブラケットを握った時に手のひらにしっくりフィットするということから、手の小さめの方でも十分に握りやすく、素早くブレーキをかけることが可能です。
そして、フロント・ディレイラーの改善によって変速スピードが、以前より速くなりました。
現在、カンパニョーロの販売しているコンポーネントのグレードは、スーパーレコード、レコード、コーラス、ポテンツァ、ケンタウルの5種類です。
トップクラスのスーパーレコード(40万円前後)とレコード(30万円前後)は、輸入品と言うこともありシマノよりも割高感はぬぐえません。
ただそれなりの出来栄えはあり、愛好家にとってはまさに芸術品の域に達したとも言われています。
その性能の高さは、ロードレース出場などの競技生活者向きでありますので、一般のサイクリストの方でしたら、高品質のアルミを素材に使用していて比較的購入しやすい10万円前後の製品である「ポテンツァ」がおすすめかと思います。
スラムの特徴
スラムは、アメリカのコンポーネントブランドで、MTB用のコンポーネントの製造・販売から始めました。
そして、2006年にロードバイクコンポーネントを製造・販売をリリースします。
スラムでは、大手2社対抗するために注力したのが、コンポーネントの軽量化でした。
シマノやカンパニョーロもコンポーネントの重量に関しては、十分な軽さを誇っていましたが、スラムはそれ以上の軽量モデルをリリースすることを目標に始めました。
その他にも、ワイヤレス電動のRED eTap(イータップ)を発売するなど、他メーカーよりも先に新技術を開発導入しているチャレンジャーでもあります。
また、変速性能はシマノにリードされているとはいえ、世界的に有名な3大自転車レースに使用されていることから、コンポーネント全体の性能は高いことが証明されています。
スラムには、レッドeTap(イータップ)、レッド、フォース、ライバル、アペックスの4種類5つのコンポーネントタイプがあります。
おすすめは、レッドができる前まではスラムのフラッグシップだった「フォース」です。
現在は、セカンドグレードとなりましたが、デザイン性も高く軽量であることからレッドと同じように人気のあるコンポーネントです。
フォースは、シマノのアルテグラと比較されるグレードで、価格は13万円前後しますので、アルテグラの方が安いのですが、コンポーネントの全体重量は約120グラムも軽いことが評判を得ています。
スラムのコンポーネントには、レバー1本でシフトアップやシフトダウンが可能なダブルタップシフトとワイヤレス変速のRed eTapという機能を持つシリーズもあり、後発メーカーながらも技術開発に力を入れて、実績を築いていこうとしています。
■まとめ
コンポーネントにはメーカーごとに種類があり、購入時にはコンポのグレードとその価格を考慮して、ロードバイクでどのように楽しみたいかを思い浮かべ、その楽しみ方に適した性能のコンポーネントを選ぶことをおすすめします。