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アレックス・モールトン自転車の魅力と価値 ― お城製とパシュレイ製の違い

アレックス・モールトンとは
イギリスのエンジニア、アレックス・モールトン博士は、自動車のサスペンション開発で名を馳せた人物です。代表的な仕事のひとつが「ミニ(Mini)」のラバーコーンサスペンションですが、その技術を応用して1960年代に自らの名を冠した自転車を世に送り出しました。
モールトン自転車の大きな特徴は 「小径ホイール+前後サスペンション」。従来の自転車とは異なる独創的な構造により、スムーズな走行性能と高い快適性を実現し、今なお世界中のファンを魅了しています。
アレックス・モールトンの工房「The Hall(ザ・ホール)」とは
アレックス・モールトンの自転車づくりの中心となるのが、イギリス・ウィルトシャー州ブラッドフォード・オン・エイヴォンにある「The Hall(ザ・ホール)」と呼ばれる工房です。
この建物は16世紀に建てられた歴史あるマナーハウスで、モールトン家が代々受け継いできた邸宅でもあります。
1960年代以降、ここは単なる住居ではなく、自転車開発の研究拠点として生まれ変わりました。内部には試作工場、設計室、テスト設備などが整い、**モールトン博士自らが設計・溶接・試乗まで行う「実験の館」**として知られています。
職人の手による究極のクラフトマンシップ
「The Hall」で製作されるモールトンの自転車は、すべて熟練した職人の手によって一台ずつ丁寧に組み立てられています。
フレームの溶接、仕上げ、組立てに至るまで、細部へのこだわりが息づいており、その精度と美しさはまさに工芸品の領域です。
こうした手仕事の背景こそが、お城製(The Hall製)モールトンの価値を特別なものにしている理由です。大量生産によるパシュレイ製とは異なり、「The Hall」で生まれる車体はモールトン博士の理念を最も純粋な形で受け継いでいます。
英国工芸の伝統と革新が融合する場所
緑豊かな庭園と古い石造りの建物に囲まれた「The Hall」は、訪れる人々に英国らしい落ち着きと気品を感じさせます。
その静かな空間の中で、精密な溶接や設計が行われ、伝統と革新が調和する特別な時間が流れています。
「The Hall」はまさに、アレックス・モールトンというブランドの魂が息づく聖地なのです。
お城製(Castle Made)
モールトン博士の自邸「モールトン館(The Hall, Bradford-on-Avon)」に設けられた工房で製造されたモデルです。職人による少量生産で、溶接や仕上げの精度が極めて高く、自転車というより工芸品に近い存在です。
代表的なモデルは New Series、Double Pylon、Jubilee など。いずれも希少性が高く、コレクターズアイテムとして非常に高額で取引されています。
パシュレイ製(Pashley Made)
イギリスの老舗自転車メーカー「Pashley Cycles」が製造を担ったモデルです。量産体制で生産されているため、価格はお城製に比べて手に取りやすく、品質も安定しています。
代表的なシリーズには APB(All Purpose Bicycle)やTSRシリーズ があり、普段使いの実用車として長年多くのユーザーから支持されています。
フレーム構造で見分けるポイント
モールトンの価値を判断する際には、フレームの造形に注目するのがポイントです。
- 空間フレーム(Space Frame)
細いパイプを三角形に組んだ独特のトラス構造 → お城製 - シンプルフレーム
一般的なスポーツバイクに近い直線的なフレーム → パシュレイ製 - ヘッドまわり
複雑にパイプが入り組む芸術的な構造 → お城製
シンプルな接合部で実用的 → パシュレイ製 - リアサスペンション
フレームデザインに溶け込むような構造 → お城製
別体的で分かりやすい形状 → パシュレイ製
まとめ
アレックス・モールトン自転車は、工芸品としての価値を持つ「お城製」と、安定した品質と実用性を誇る「パシュレイ製」に大きく分けられます。
見分ける際は、まずフレーム構造に注目してください。特に「空間フレーム」であれば、お城製と考えてほぼ間違いありません。
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